女性らしく美しく生きるために必要なこと

こんにちは

このたび、共著にて本を出版させていただきました。

私の、自己紹介をかねて、現在の美容技術の期待ワクワク的進化をお伝えしております。

あなたが女性らしく美しく毎日を活き活きと過ごしていただくために必要な内容が満載です。

下記に抜粋しておりますので、お暇な時にでも、お目通しいただければ、幸いです。

 

 

         ヘアメイクフキ 大西正晃

 

 

髪のお告げ

(すべては髪に教わった)

 

―美容界の巨匠たちー

 

美容師  大西正晃

 

はじめに

 

髪とは不思議なものです。物言わぬ、神経も血も通わぬタンパク質のかたまりなのに、人生のあらゆる場面においてその人を美しく、生き生きと輝いて見せます。逆に心が少し苦しいとき、身体がつらいときは、白髪になったり、ツヤを失ったりします。

 

髪と心と体はつながっているのかもしれませんね。髪とともに歩んだ34年間は、美容界の巨匠と、革新的美容技術との出会いの連続でした。すべて髪が取り持ってくれた「髪のお告げ」と感謝しています。

 

 

 

きっかけはこんなもんです

 

京都産業大学在学中の事でした。父がなにげなく、「お母ちゃんの仕事やってみやへんこ?」と私に言うてきました。お母ちゃんの仕事とは、美容師の事です。当時、私の姉も美容師になっていましたので、「なんで僕も美容師?普通に企業に就職するで」と言い返しましたが、父は、ひと言「考えてみいや。」と言うてくれました。

 

 当時の私は、経済学を専攻し、中小企業におけるイノベーションについて研究していた、といえば立派に聞こえますが、実際は髪を染め、穴の開いたジーパンをはき、バンドでギターを弾いておりましたので、父は私の適性を冷静に判断していたのかもしれません。

 

就活が芳しくなかったのと、七三分けの髪があまりにも似合わなかった(藤山寛美のようになる)のと、美容学校でもう一年間、学生ができるという安易な理由で美容師なろうと決め、大学卒業後、東京の山野愛子氏の美容学校に入学し、美容への道がスタートします。

 

 

 

一流の美容師になりたい

 

 やるからには、一流や!と心構えだけは立派でしたので、テレビの変身コーナーでも有名だった、東京の石渡潔氏の門をたたき、弟子のひとりに加えていただきました。

 

 手厳しい兄弟子たちに揉まれながらも負けん気を発揮し、社内コンクールで3回優勝することが出来ました。指名のお客様も順調に増え、先輩後輩、同僚にも恵まれ、充実したスタイリスト時代でした。

 

東京で5年の歳月が流れ、故郷の両親から「そろそろ帰ってきてくれ」という、いつになく、か弱い声を聞くようになり、27歳の時あっさり実家のフキ美容室に戻ることを決心しました。今までうるさいと思っていた親が、なんとなく弱って見えることほどこたえるものはないです。

 

 

 

高慢そして挫折そして発見

 

 兵庫県のカットコンクールがあり、すぐにモデルを手配して出場しましたところ、運とまぐれも手伝って金賞をいただきました。いささかいい気になっておりましたので、当時の私は鼻持ちならん男やったと思います。

 

 しかし、その後母が体調を崩し、経営を任されるようになりますと、従業員さんへの気遣いや、経営の事で悩み苦しむことになります。病床の母からは、「お客さんには、愛想ようせんとあかん!」と再三言われるのですが、母のような接客は、自分には到底できないと考えてしまうのです。今思い返しましても、一番つらく苦しい時期だったと思います。

 

 しかしながら、そんな時も暖かく見守り、支えてくださったのは、やはりお客様方でした。いつの頃からかお客様に「あんたお母さんに似てきちゃったなあ」と言われるようになりました。私が「なにが似とんの?顔が?」と聞き返しますと「顔もやけど、言うてやことがやわね」と言われました。焦らずとも時が解決してくれるようです。

 

 さてそんな折、私がパーマをあてたお客様から「抜け毛が減った。」「白髪が黒くなった。」とのお声をいただくようになりました。しかしながら現象が先に起こり、理論がついていかないという五里霧中の日々を何日も過ごし、とうとう伝説の美容技術「育毛パーマ」にめぐり合うことになります。

 

 

 

巨匠その1

 

育毛パーマ「現実を見ること、それが勉強」 清水志津氏

 

「パーマをあてながら髪を良くする技術があるらしい・・・」美容師の間で、語り継がれていた伝説の技術です。

 

平成十八年、パーマをあてたお客様から「抜け毛が減った。」「白髪が一部黒くなった。」というお声をいただくようになり、そういうお客様が10人20人と増えるにつれて、これは何かあると思い始めました。しかしながら、パーマ液に育毛効果があるというような話は聞いたことがありませんし、美容師仲間やメーカー、ディーラーに問い合わせても誰も知らないと言います。途方に暮れた私は氷上町の中央図書館で、あきらめ半分「育毛」で検索しました。 つぎの瞬間、私の人生を変えてくれた一冊の本がヒットしました。

 

「髪こそ女の命」清水志津(故人)著 ―育毛パーマの必要性―(創芸社刊)という一冊の本に、めぐり合えたのです。

 

「パーマ液による頭皮と毛髪の良性変化」についての見解が詳細に記載されていました。すぐに連絡を取り、東京在住、明治8年生まれ87歳(当時)の現役の巨匠のもとを何度も訪れ、育毛パーマの理論と実技を学ぶことになりました。

 

通常の美容理論では、パーマ液は髪の損傷を招きやすいので十分留意してあてるという、どちらかというとパーマ液に対してネガティブな取り扱い方が中心でした。

 

しかし、育毛パーマの考え方は全く違っていて、パーマ液を鋭いメスと理解し、使いこなすということでした。薬液の強さを十分熟知し適切な薬液処理により、髪と地肌が穏やかに活性する瞬間までアルカリ還元させるという手法です。まさにプロの職人技です。

 

育毛パーマをあてた直後の地肌は血行が良くなり白く澄んで見えます。健やかな地肌が出来れば、あとは元気な髪が生えてくるのを待つだけです。お花でも野菜でも土が悪いと良い実りをもたらさないように、まず地肌の健康が、健康な髪への第一条件と考えます。そうして逆もまた真なりで、健康になった髪は人体に対して、いい働きを無条件でしてくれます。

 

東京に通う、私のことを「ぼくちゃん」と呼びながら、ひとこと一言、噛んで含めるように、教えていただきました。ご自宅マンションにも泊めていただき家族のように迎えていただきました。初めてのお出会いから、わずか9か月で他界された清水志津氏。「最後の弟子」と言っていただけたのが光栄です。全国でも数えるほどの美容師しかマスターしていない育毛パーマの技法を次の世代に伝えることが出来れば本望と考えます。

 

さて次の課題は、「熱」です。ドライヤーやコテなどの高温を使いながら、尚且つ髪を傷めずにセットする方法はないのか。次の章では、熱に弱いとされていた髪に驚きの変化をもたらすミネラルトリートメント「M3D」の説明をいたします。

 

 

 

巨匠その2

 

特許M3D 「熱が味方になる瞬間」 若林勇人氏

 

髪の主成分であるケラチンタンパクはおよそ45℃で硬化し始め、元に戻らなくなります。ゆで卵や目玉焼きの状態です。これはタンパク質が熱によって酸化されることにより起こる現象です。

 

M3Dとは、微細な天然ミネラルを、髪の内部にいれ、熱を加えることで髪の成分と一体化し活性酸素も撃退するような高い抗酸化力を持つにいたるという画期的トリートメントシステムです。平成十九年に、M3Dの開発者である若林勇人氏と出会い、M3Dカラートリートメントをされたモデルさんたちのツヤツヤ、サラサラの髪に魅了されました。熱が味方になるという現象を目の当たりにした瞬間です。

 

若林勇人氏の最初の言葉「ヘアカラーのアルカリ成分を利用して髪と地肌を軽く膨潤軟化し、ミネラルを入れ込むんです。」との考え方は、清水志津先生と共通したものを感じ、導入を決めます。しかしながら最初は、なかなかうまくいきません。スタッフで毎日練習するのですが、シリコンまみれのスタッフの髪がしなやかにならないで硬さが残るのです。若林氏には「熱の入れ方が不十分」との指摘を受けます。開眼は意外と早く訪れました。ほどなく、バシバシだったスタッフの髪がしなやかでおさまる髪に劇的に変化したのです。M3Dは、すでに特許も取得し、世界に誇れるメイドインジャパンのオンリーワンブランドになると確信しています。

 

 

 

次は、いよいよヘアデザインの根幹であるカットです。「アジアの女性を世界一美しく」をコンセプトに特許カット技法を発明した兵庫県の巨匠をご紹介します。

 

巨匠その3

 

特許小顔補正立体カット で「憧れの外人骨格に」

 

 SAYURI氏

 

 

 

小顔補正立体カットは兵庫の社長.TVでも紹介された、牛尾さゆりさんが発明した、新しい発想のカット技法です。

 

さて西洋人は、なぜあんなにカッコ良いのでしょうか。横顔の美しさは、みとれてしまいますし、伸ばしっぱなしの髪でも軽くまとめるだけで、お洒落なパーティヘアになります。

 

そんな西洋人と東洋人を決定的に分ける差が骨格なのです。西洋人の骨格は、小ぶりで、後頭部の丸みがあり、鼻が高く綺麗な球形をしています。対する東洋人は、ハチが張り絶壁で鼻が低く身長の割に頭が大きめです。

 

長年、日本でベーシックと呼ばれるカット技法は、ミリ単位のブラント(ぶつ切り)カットです。切り口が美しく表現され、立体的な造形が可能になります。しかしながら、西洋人の、骨格を基に作られたこのカット技法をそのまま日本人の骨格に当てはめた時、少々無理が生じます。

 

小顔補正立体カットは、部分ごとに違った切り口の毛束を積み上げ、ボリュームの欲しいところ要らないところを正確に切り分け、再現性とお手入れの簡単さを両立させたものです。お客様のお喜びのお声をたくさん頂戴し、おかげさまでカット協会の総会の場で「最多支持賞」をいただくことが出来ました。カットの講習をして欲しいというご依頼もお受けしており、今後ますます必要性が高くなると実感しています。認定講師として、老若男女問わず、お客様に喜んでいただけるこのカット技法をどんどん広めていきたいと考えております。

 

 

さて、最後に根っこの話です。髪の毛は、一本の毛穴から複数本、生えていますので、「毛髪交差」という根元の絡まりが発生しています。さながら、手入れの行き届かない竹やぶです。最後の章では、髪が自由に梳いた方向に流れ、気になるつむじや、前髪のくせを軽減できる実用新案技法のリセッターについてご説明いたします。

 

 

 

巨匠その4

 

リセッター 「生まれつきと諦めないで」 神山信彦氏

 

思い通りにならない髪を、生まれつきと諦めていませんか。

 

毛流れや、生えぐせを完全に治すことは出来なくとも軽減することはできます。一つの毛穴から複数の髪の毛が生えている関係上、髪の毛は絡みながら伸びています。

 

髪の絡みは、髪の自由度を阻害しますので、櫛でといても絡まった方向でとどまろうとします。つむじや生え際や襟足など気になるところほど、顕著にその傾向を示します。

 

そこで「リセッター」という特殊ツールを使用し、根元の絡みをほどいていきます。完全に横を向いていて、そろわない毛髪は、その一本だけ根元から切ることもできます。結果として、よく手入れの行き届いた竹林のように、すがすがしく自由な根元の環境が完成します。

 

自分はくせ毛だと思っていた人も、根元の絡みをとることにより、素直な髪に統合され、扱いやすい髪に変化し、本当の自分はそんなに強いくせではなかったのだと気づかれます。直毛でボリュームが出ない方は、ふんわりと自然なボリュームが出るようになります。

 

たかが髪、されど髪。「髪は女の命」と言われておりますが、あえて「髪はみんなの命」と申し上げたいのです。

 

最後に

 

「四十、五十は洟垂れ小僧」の言葉が好きです。私の両祖父の頭部をじっくり観察した結果、隔世遺伝の自己診断では40代で禿げていてもおかしくなかった私の髪と、神さまに感謝しつつ、日々新たな髪のお告げを聞き逃すことのないよう精進を続けていきます。最後まで、ありがとうございました。